衝撃的だったセブ島での2週間

f:id:naoko0703:20191126180255j:plain

行ってみたかった貧困な国

今まで長年日本という国で生活をしてきて、日本の治安や生活レベルが普通だと思ってしまう日本人は少なくありません。新卒から約7年正社員として働き、毎月当たり前のように収入を得てきました。以前より日本より貧困な国へ行ってみたいという気持ちがありました。現在は情報社会なので画面上でそのような国々の状況を見る事はできますが、実際に行ってみたいと考えていました。

日本人のイメージとは異なるセブ島

大体の日本人がセブ島へ行く際はマクタン島という観光地にしか行く事はありません。いわゆるリゾート地です。海沿いにある綺麗でお洒落なホテル、海を眺められるプール、それらが揃った場所にしかなかなか行く事はありません。今回、観光ではなく短期留学をしに行ったのでそんなリゾート地から離れた現地の人々が暮らしている街中で英語を学んできました。

実際に生活してみるとまず女性1人で街中を歩く事はとても勇気のいる事でした。彼らは「肌が自分達よりも白い」「東南アジア人ではなくアジア人」というだけでお金を持っているイメージがあります。日本から到着した初日はフリータイムだったのでどこかにショッピングへ行ってみたいと思っていました。寮を案内してくれた現地人の女性は「少し遠いけど、昼間なら大丈夫だから歩いて15分くらいの所にショッピングセンターがあるから行ってみて」とお勧めしてくれたのですが、女性1人で15分もかけて行ってみようとは思えなかったのです。ただ、半日もの時間フリータイムだったので1階にいる管理人さんにタクシーをひろってもらい、買い物に行くことにしました。

日本人がよく行く台湾や韓国とは全く怖さが違いました。タクシーと言っても1人で乗って行くのはとても勇気のいる事でした。それでも人生経験と思い、勇気を振り絞ってチャレンジしました。

5分程乗っていると渋滞になり、停車する事がしばしばありました。そこで衝撃的な事が起きました。目以外を布で覆った1人の女性が野菜を持ってこちらへ歩いてきたのです。残念な事に私が座っている後部座席の窓は中が丸見えだったので私を見ては窓を叩いて「買え」とでも言っているようでした。窓を開けたら終わりだと分かっていたので、手を横に振り「いらない」と伝えました。このんな時は焦りは禁物ですね。焦りが伝わらないように、まるでこんなの慣れているよというかのような顔で断りました。タクシーではなく徒歩で向かっていたらどんな事が起きていたのでしょうか。女性も男性も関係なくタクシーに乗ることをお勧めします。

街中の様子

到着から2日目以降、他に同じ語学学校へ来ていた日本人男性達と仲良くなり、前日より安心して過ごす事ができました。男性のフィリピン人講師に前日の買い物の話をしたら物凄く驚かれました。「日本人女性のイメージが変わった!」なんて言われました。街中を見ると、道沿いには朝から作ってきたご飯を売っている人々、日陰で寝ている野犬達、楽しそうに歌を歌っている人などもいました。ただ、気を付けて欲しいのは集団で歩いていたとしてもトートバックなどででかけるのはお勧めしません。留学へ来ていたのでしょうがないのですが、教科書などが入ったトートバックを小さい子に叩かれ、危なかった事がありました。

滞在している寮の前に住んでいる子供達は毎日楽しそうに同じ自転車に乗って遊んでいました。「飽きないのかな」と思いながら毎日その子達を見ていました。日本のように何でも揃ってしまうと1つの物を大切にできないのではないか、物がないからこそ大事に工夫して使っていくのではないか、そのように思えました。

スラム街近くのショッピングセンター

1人で行ったショッピングセンターとは別のショッピングセンターへ仲良くなった日本人男性達と行く機会がありました。そのショッピングセンターの近くにはスラム街がありました。実際に行ってみると、何日間着たのか分からない服を着た子供達や親が買い物客に物を売っていました。私達は近くでタバコ休憩をしていたのですが、子供達はそれを見て「タバコちょうだい」と手を出してきたのです。びっくりしました。また、他の男の子はキッチン用のビニール袋に何かの葉っぱを入れたものを「すごいでしょ」とまるで言っているかのように目の前で吸い始めました。衝撃的でした。多分、大麻だと思うのですが悪い大人が貧困な子供達に空腹を忘れさせようと与えるらしいのです。フィリピンで英語学習は行われていますが貧困な子供達は学習する事もできず、私達の「NO!!」などは全く伝わりませんでした。貧困層は永遠に受け継がれていき、子供達の将来の子供もちゃんとしたお金の稼ぎ方を教わる事もなく暮らしていくのだそうです。また、フィリピンはキリスト教で避妊や中絶は禁止されており、子供が増えてしまい貧困を繰り返すのだそうです。

まとめ

フィリピンはわたしが行ってみたい国そのものでした。日本での悩みが悩みではない程に違った世界でした。フィリピンの人々はその1日1日を生活する事で精一杯で、なのに何故か気楽で日本人よりも元気で楽しそうでした。この違いは何なのでしょうか。日本人はフィリピン人よりもお金を稼げてある程度の物は手に入ってしまう。これが当たり前になってしまったからいけないのでしょうか。日本人よりもフィリピン人の方が「幸せ」と思っているのではないでしょうか。今回の滞在はとても考えさせられ、良い経験となりました。